本日の一曲No518:ザ・セル

演じるということ・・・。

演劇アカデミー第6回

今回の講師は、実際に劇団を率い、演出、俳優などをされている方でした。
初めに、ヨガの呼吸法やら、手足首の柔軟やらを教えていただきましたが。
俳優という仕事は、体を動かして何かを伝えること。
体を使ってという事に関しては、スポーツ選手と同じだけれど、
決定的に違うのは、
体の何処を使うかとういうことで、
スポーツ選手は、筋肉だとか、外から見えている部分を多く使う。
それに対して、演じるということは、
体の内側、普段、見えない部分を動かす。
ということで、指定された部分を(足の小指とか)心の中に意識する体験をしました。
なるほど、納得。
ただ、子供たちのスポーツに携わってきた姿を見てきた私には、
スポーツも結構、内面が大きく左右するものだと思っていますが・・・。

面白いと思ったのは、
集中するという状態が、スポーツとは違うかもという事。
野球で言うと、集中するというと、
まわりの音や景色が見えなくなる状態(に近い)かな。
ただし、緊張でこうなった場合は、駄目ですが。
演劇をやる場合の集中とは、
一つの事しか見えていない状態では駄目なのだそうで、
自分だけのセリフしか頭の中になかったりすると、会話をしているはずの相手の存在が感じられない演技になってしまうのだとか。
周りの状況がよく見えていて、自分がどう動くのかが把握できる状態が、
いい集中状態なのだそうです。

なので、呼吸方をするときも、柔軟をするときも、
目をつぶったり、瞑想状態ではやらないで、
目を開け、できるだけ周りの様子を感じ(見るということではなく)ながら、
リラックスした状態で行うことで、空気を感じる事を身につける。
ほーーー。

今回の講師の方は、空間という事をとても重要なポイントに置いていらっしゃるようで、
何故、そう考えるかという事まで話してくださったので、とてもよくわかりました。
この方の場合、舞台の立ち位置は指定しないで、役者さんに任せるのだとか。
此処と決めてしまうと、人と人の距離が一つに決まってしまって、
面白みのない関係になってしまうのだそう。
セリフとセリフの間に、心の動きがあれば、居たくなる位置がどんどん変わっていくもので、
その感覚を大切にしたいのだそう。
なるほどーーー。

実際に、部屋を舞台に見立てて、そこに受講生が一人ずつ自分が落ち着く場所に立っていくという事をやりました。
空間に一人入るたびに、前からいた人は場所を変えたり、向きを変えたりしてしまう。
ひとつの存在が自分の体に与える影響って案外強い。
人間って、結構デリケートに感じる動物なんですよって事を知ってくださいという事らしい。


後半では、一枚の台本をもらい、三人が一組になって実際に演じるという事に。
床に円座になって話を聞いていて、近くにいた人と組んだわけですが、
一人は経験者、もう一人と私は初心者で、しかも裏方志望。
演じるという事には全く初めて。
(小学校のクラス会で寸劇をやったぐらい)

7班に分かれて演じたのですが、
演じる順序は自己申告制。
初めの方の班は、経験者が多く、
いきなり、メチャクチャうまい発声と、セリフまわし。
唖然と聞いていた私でした。
が、講師の方は途中で止めては、指導をしてくれます。
私などは、はっきりと綺麗に発音できていれば、
それだけで「いいんじゃな~い」
って、思うのですが、講師の方は、相手との距離を感じて話してといいます。
すぐ隣の人に、朗々と話す必要はないわけです。
次の班では、その場面は実はこうで、とか、
この人は少年で・・・とか、
少しずつ設定を明らかにしていく事で、
じゃ、どう演じましょうか、と定義してくる。
後になるほど、ハードルが高そうだとわかった時点で、
早くやろう、という事になり、
私たちの班は、4番目に出場!

経験のある人が、一番セリフの多い役をやってくれると言うので、
残った二つをじゃんけんで決めました。
勝った私は、一番セリフが少なくて短い少年の役をゲット!
しかし、それが間違いの元。
短いけれど、その人の気持ちをどう捉えるかで、
一番変わってくるのが、その役でした。
「わかりました。」
「大丈夫です」
「さようなら」
普段でも使うような言葉の中に、今、その子がどういう状態なのかを考えて言葉にする。
手に持った台本のセリフ。
言葉も、順番だってトンでしまって、声がふるえていました。
(心細い少年の場面だったので、そういう風にしようという意図もあったのですが)
酷い演技だったと思いますが、初心者には優しい講師の方は、
黙って見てくれていました。
一緒に組んだ人がとても上手だったので、
前に立っている私まで、引き込まれてしまって、
セリフという感覚を超えた「言葉」として話せた気がしました。
演じてるという感覚ではなくて、その子と自分の気持ちが同じになったような、
不思議な一瞬でした。
見ている人にどう聞こえるように、とか、どう聞こえるだろうではなくて、
自分がこう思うから、こう話すんだ、という感じ。

それで良かったのかどうかはわかりません。
演じるって事はどういう事なのか、わからないんだから。
でも、講師の方のいわれる、距離感をつかむ事という意味が、
少しだけわかった気がしました。

本日の一曲No518:ザ・セル
2000年のアメリカ映画。
私の苦手なサイコホラー系の映画。
なので、実は見てません。
唯、音楽担当はハワード・ショアという事で、
盛り上がりのあるスコアに・・・。

セルという新しい感覚の空間用語。
元々、宇宙の空間は、果てしなく広い。
それを、人間が唯勝手な条件で細切れにしているだけ。
国境の上に立ったって、線が見えるわけでもない。
それぞれが自由に空想すれば、
国境はなくなり、県境も縄張りも、何もなくなる。
一つのセル、一つの部屋。
人間が作り出した、不自由な世界なのかもしれませんね。











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